A:国産の場合、10月~11月中旬までに接種完了が望ましいと思われます。

 国産不活化インフルエンザワクチンは接種後2~4週くらいから予防効果がでてきて、4~5か月程度持続します。
インフルエンザの流行は、通常12月~3月ですので、国産不活化ワクチンの場合は、11月~12月までに接種完了すれば、大方のピークはカバーできます。

厳密には、当院周辺のインフルエンザの流行は、12月中旬からですので、ワクチン接種は10月~11月中旬までに終了すべきと考えられます。

今年の様にB型の流行が6月まで続くと、全てをカバーすることは出来ませんが、国産不活化ワクチンが発症予防効果を持つのは、A型インフルエンザが主ですし、A型インフルエンザの流行は3月~4月までですので、やはり、11月中旬までの接種が最も効果的と思われます。

フルミストの場合は、1シーズンまるまる効果が持続しますので、9月からの接種でかまいません。

A:国産不活化ワクチンは、1回接種で終わるか、2回接種するかは、任意です。

 2011年から国産不活化インフルエンザワクチン接種時の投与量は、アメリカと同じ量となりました。
国産インフルエンザワクチン内に含まれる有効成分は、アメリカと同等で、1株あたり、30μg/mlです。
ですから、アメリカの接種回数と同じ方法でも構わないと考えれば、アメリカ接種方法を選択すればよいと思います。

  • アメリカの接種方法
    6か月~8歳インフルエンザ接種歴または、罹患暦があれば、1回接種。
    なければ、2回接種
    9歳以上1回
    ※これらは、アメリカがインフルエンザワクチン接種既往者と未接種者で効果の違いを綿密に検討した結果、示された方法です。

  • 一方、日本の接種方法は
    6か月~12歳全員2回接種
    13歳以上全員1回接種
    ※日本の場合、インフルエンザワクチン接種既往者と未接種者で効果の違いを綿密に検討していないため、アメリカの様な結果が出せていません。また、2010年以前と2011年以降では、接種量の変更があったため、2010年以前の効果分析結果はあまりあてにならなくなりました。

アメリカ式で行くか、日本式で行くか、の選択は任意です。

昨シーズンの中間報告では、1回接種量が増えた3歳以降において、1回接種群より、2回接種群の方が、B型インフルエンザの罹患率が半分になったという報告も出ています。

一方、2015年日本外来小児科学会の一般演題では『3歳以上では、抗体価獲得に差が無い』という報告もあります。

ただ、最近のB型インフルエンザ流行は年々時期が遅れる傾向にあり、2013/14は3月から5月まで続きましたので、注射型不活化インフルエンザワクチンの効果はもはや期待できないのではないかと考えられます。

 マニアックに考えた場合はどうなるかと、いいますと、現時点2016/9月で、WHOの発表によりますと、オセアニア、中国地域での優勢インフルエンザ株はH3N2型が43%と優勢で、昨年2015/16シーズンとほぼ変わらない状況です。

2014/15シーズンに亜型H3N2が大流行したため15/16はそれにターゲットを絞り、有効性を出してきました。今年は、それに少し変更を加えた株になっております。昨年の株が当たっていますから、今年の株が当たれば、H3N2の勢いが鈍って、主役がかわるかどうか、瀬戸際の状況です。もし、H3N2が、再び亜型に変化したら、再びもりかえしてきますので、今年のワクチンは当たるか、外れるか、五分五分の状況です。よって、2回接種が無難かと思います。

2014/15シーズンの当院の調査2013/14シーズンの菅谷先生の調査から考えると、2回接種すると、効果はH1N1型で25%、H3N2型で15%程度増加しており、この効果の増強具合に価値を見出す人は、2回接種がおすすめです。また受験生なども4週間隔で2回接種がお勧めです。(添付文書上、成人も2回接種してもかまいません

 世界的には,WHOの専門家会議で次シ-ズンに向けたインフルエンザワクチンに用いる推奨株が毎年2回(北半球用と南半球用)選定されます。
 わが国では国立感染症研究所で,厚生労働省健康局長の依頼によって外部有識者を含むインフルエンザワクチン株選定のための検討会議を開催し,WHO推奨株を参考にして,あわせてわが国の流行状況や国民の抗体保有状況などから予測を行い,また,ワクチンの製造に適した株(卵での増殖がよいことや,継代による抗原性の変化がないことなどの検討)を選択し厚生労働省に報告します。これを受けて毎年5~6月頃に次のシーズンのワクチン株が厚生労働省より最終決定されて公表されます。

今年のWHO推奨株

A:わかっているのは、噴霧式生インフルエンザワクチン(フルミスト)で2歳~7歳半では約80%、不活化インフルエンザワクチンでは18歳~65歳で60%の発症予防効果というだけで、その他の年齢層ではよくわかっていません。

 非常に優れたRCTでは、わかっているのは、非常に狭い年齢だけで、不活化インフルエンザワクチンに関しては、18歳~65歳では約60%の発症予防効果で、
輸入鼻噴霧式生インフルエンザワクチン(フルミスト)に関しては、2歳~7歳半では約80%の予防効果というだけです。

 日本の小規模の報告では、2010年以前の少量接種での効果は7歳未満の不活化インフルエンザワクチンの効果は30%未満です。2010年、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの石井 健らの研究で、日本製の注射型ワクチンは、インフルエンザ自然罹患暦がない人には、全く効果がないという事を示しましたので、インフルエンザに罹ったことがない人は、注射ワクチンは効かないのではないかという考えが広まってきています。

 65歳以上では不活化ワクチンでも高濃度ワクチン( Fluzone High-Doseの効果がより良い成績を示しており、日本のワクチンでは、発症予防効果が低いと考えられます。
※ただし、重症化予防効果はどの年齢層でも高いと考えられています。

交差免疫効果がまったくない株の場合、国産不活化ワクチンは無効となります。
輸入噴霧式生インフルエンザワクチン(フルミスト)の場合は、効果が10%程度落ちるくらいです。

重度の卵アレルギーがある方でも、不活化インフルエンザワクチンの中に入っている卵成分は極微量のため、90%の方は、接種可能ですが、10%の方は、ショックなどのアレルギー反応を起こすため、ゆで卵を食べれない方や、食べた事もない方の場合は、初回のワクチン接種は、総合病院小児科で接種をお願いします。1回目の接種が何事もない場合は、2回目以降は当院でも行っております。

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