情緒制御システムの発達

情緒とは

情緒について、辞書で調べると
(1)ある事を思うにつれて生ずるさまざまな感情。思い。
(2)感情の変動。
(3)情趣、情調。
要は、その時々の感情のことを情緒と言います。

 さて、人間はその時々に感情を持ちますが、それをそのまま表現、体現しまくったら、どうなるでしょう?
人とまともな話し合いも出来ませんね。こうなるとビジネスなんてありえませんね。

 私たちは、感情を持ちつつ、それを抑え、相手と話し合い、意見を交換し、自分の考えを改め、人と協調し、生活する。これすなわち社会性です。
人は社会生活を主とする哺乳類です。
他の哺乳類にも社会生活を形成するものはありますが、人間はその中でもっとも社会性を営む哺乳類です。

よって、情緒を制御する必要があるわけです。

生まれたての状態では、子供に情緒を制御するシステムは存在しません。
また、大脳辺縁系の発達発育と共に、自己の欲求、欲望はうなぎのぼりで増えていきます(生後4ヶ月頃〜)が、その欲望を制御するシステムがまだ存在していません。
このシステムは親子の語りかけによって、児の前頭葉が教育されていくことで確立していきます。

つまり、母子・父子愛着形成は『情緒制御システム』の発達に不可欠なのです。


母子・父子愛着形成の図

・児→親:児の情動のコントロールを親に求める。(児側が持つその時々の発達年齢に応じたコミュニケーション能力を使って親に伝える)
・親→児:親がそれを察知して、的確に行動する。(親側が持つ子供へのコミュニケーション能力を使って、子供の欲望を察知し、適切な方向へ誘導してあげる)


この連鎖によって子供は、自分の情緒をコントロールする術を親から学び、自分でコントロールできるようになっていきます。(人間では4歳頃〜)

これが、哺乳類全般に共通する情緒制御システムの発達過程です。



子供側のコミュニケーション能力が低いために、親の適切な対応が得られない状態が続く結果発症するのが『自閉症』です。
一方、子供は正常にコミュニケーションを発しているのに、親が気づかず無視し続けることで起こる子供の状態を『愛着障害』といいます。

 自閉症児と愛着障害児は鑑別つけがたいほど、似通った行動パターンを示します
どちらも同じ情緒制御システムの障害が生じるからです。


こういった理由から、

より豊かに情緒を育てたいとなると、やはりママ・パパとのスキンシップに勝るものはありません。

例)赤ちゃんを抱っこする。
  赤ちゃんに話し掛ける。
  赤ちゃんに母乳・ミルクを与える。
  赤ちゃんとおもちゃで一緒にあそぶ。
  赤ちゃんと「こちょこちょ遊び」をして遊ぶ。
  赤ちゃんとお風呂に入る。

などなど、普通に育児をこなして行くことによって情緒が豊かに育っていきます。

また、スキンシップを取ることは赤ちゃんとママ・パパとの間に信頼間を育むことにも繋がります。

などと、育児書に書かれているわけです。

ただし!これは、赤ちゃんがそうして欲しいという反応を示したときに、してあげてこそ、意味があります。
たとえば、『赤ちゃん』が、もっと、おもちゃで遊びたいと思っているときに、おもちゃを取り上げて抱っこしたりしていれば、親にとっては、スキンシップのつもりでも、子供にとっては、『イヤー』なわけです。こんなボタンの掛け違いがいっぱい起これば、やはり、子供の情緒制御の発達は遅れます。

・情緒を制御するために親に必要な能力は

子供をもっとよく観察し、子供の発している要求を正確に理解し、その要求がその子供の発達年齢にとって問題ない程度なら許容し、問題あるなら、理由を理解させ、我慢させつつも、抱擁やスキンシップによって感情を沈静させる。事です。

※社会性(コミュニケーション能力)の発達年齢に合わせるのがポイントです。たとえ、4歳児でもコミュニケーション能力が2歳相当なら、2歳相当に合わせてあげる必要があります。

まとめ

子供の情緒制御能力を発達させるためには・・・

子供をもっとよく観察し、理解すること
です・・・。

では、観察する方法の具体論について・・・↓


問題行動を起こす子供たちの解決方法を見つける

解決方法を見つける方法として2種類があります。

1:応用行動分析
問題が軽微であれば、まず児の問題点をリストアップし、その問題行動が起こる前後に共通する事象がないかについて徹底的に調べます。
その共通点が見つけられれば、それが、原因ですから、そこを取り除いてみる。
これは、児の問題点に焦点を当てる方法です。

2:解決志向性アプローチ(solution focused approach)
次に、問題点が多すぎる、または、原因はいくつも分かっているが、全ての問題点をなくすことが困難な場合、
児の起こす問題行動以外をひたすら観察し、いつもなら問題行動を起こす状況なのに、なぜか問題行動を起こさなかった時をメモし、何が違うのかについて考察し、そこに改善点を見つけ、実行してみる。
これは、児の良いところに焦点を当てる方法です。


※問題とされる過剰行動が自傷他害の恐れが酷ければ、そして、精神的疾患、または、器質的疾患によると判断される場合は薬(メジャートランキライザーetc)の必要性が出てくる場合もあります。