化血研問題雑感
化血研問題雑感
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さて、インフルエンザワクチンシーズンが始まろうとした矢先、化血研ワクチンがいきなり出荷停止処分にされて、いったいどうしたのか?と事情を聴きますと、どうやら、承認書の書き方が悪かった(ショ糖と書くべき所を白糖と書いていた)などの、些細な内容らしいという事だけ伝わってきまして、その程度で出荷停止はオカシイと話していたら、どうやら、別の製剤でとんでもない事をしてたらしくて、そのオシオキとして、ワクチンを止められたらしいという事がわかってきました。
あまり内部事情を探る事はできませんが、ネット経由でその後真相がぽろぽろ出てきております。
化血研の不正問題はかなり根が深いようですが、まず6月5日に化血研の製造する血液製剤の製造方法が厚労省を舐めきっている事が発覚し、出荷停止にした事から端を発するようです。詳しくは以下のリンク
・化血研 血液製剤不正製造について~どのような不正がなされたか~
それで、すべての製品を厳重に見直したところ、ワクチンも申請書どおりに作っていない、もしくは書き方が悪い所があるという事で、全部止められてしまいました。
化血研製のインフルエンザワクチンについて
厚労省より以下の安全確認が出されています。
血液製剤と違い、製剤内部に規定外のものは混入されておらず、国家検定もとおっているため、安全性に問題はないと考えて良いと思います。
・化血研のインフルエンザHAワクチンに係る品質及び安全性等の確認について
化血研製の四種混合ワクチンについて
同様に、厚労省より以下の安全確認が出されています。
ごく少量のヘパリンナトリウムが承認書に記載なく添加されていたが、その量は極微量で、(そもそも、治療で良く使用する薬ですし)発売後2年間特に、副作用が多いという事もなかったことをかんがみると、安全性に問題はないと判断され、出荷再開されました。
・化血研のクアトロバック皮下注シリンジに係る品質及び安全性等の確認について
化血研の今後
現時点で、幹部の総辞任が決まっているそうですが、どうもそれだけでは済まさないぞという動きが医学会に漂っております。組織解体を叫ぶ声をあげようという状況のようです。(解体して、設備と専門職は同業企業に売却させるという。)
これだけ大胆不敵な隠ぺいを行えたのは、なぜでしょうか。そこまで肝っ玉が大きい人たちがたまたま集まった組織だったのでしょうか?「こうすれば、ばれないよ」という内通者がいなかったのでしょうか。化血研をほじくると、厚労省OBが出てくるのでしょうか。そのうち、はっきりしてくるような気がします。
厚労省の責任
通常このような呆れるほどの不正を行った企業が製造したワクチンは、たとえ製品として問題なくても、すぐに出荷停止処分を解く事は無いはずです。しかし、今回早急に出荷停止を解かざるを得なかったのは、そもそも、国内ワクチン企業を過剰に保護し、外国企業を排除し、国産だけで、ギリギリ需要を賄える状態で維持したため、出荷停止にしてしまうと、国内ワクチン不足が発生し、国内で百日咳大流行が発生しかねず、乳幼児の死亡率が上がる危険があったためです。
本ブログで紹介した、外国製ポリオワクチンを配合した、4種混合の認定になんやかんやと難癖をつけて来た事を思い出しますと、やりきれない気持ちになります。
・不活化ポリオワクチンをめぐる外資苛め?
・北里第一三共製三種混合ワクチン(シリンジ)の製造ストップ
とにかく、全部ひっくるめて、監督責任は問われるべきでしょう。
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血液製剤を不正製造していたとして、厚生労働省から110日間の業務停止処分を受けている化学及(および)血清療法研究所(化血研、熊本市)が、製薬大手のアステラス製薬(東京)にワクチンや血液製剤の製造部門を事業譲渡する方向で交渉に入っていることが関係者への取材で7日、分かった。
http://www.asahi.com/articles/ASJ477TCRJ47ULBJ017.html